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3CF&Co. 榮喜 健介

Startup Story

大手総合商社という安定の道を捨て、IT化が遅れる物流業界に大きなビジネスチャンスを見出し、株式会社3CF&Co.起業した榮喜健介氏にお話をお伺いしました。

官民を経験したサラリーマン時代
 東北大学大学院農学研究科を卒業後、総合商社である双日株式会社(入社当時の会社名は日商岩井)に就職し、約5年間、医農薬中間体及び工業用化学品中間体の輸出入及び三国間取引等を担当していました。その後、双日グループの物流を企画立案する物流保険統括部に異動となり、グループの物流コストの見える化や一元管理、ノウハウの事業化などを行いました。
 その後、官民人事交流制度を活用して国土交通省へ入省しました。同省では、建設分野の外国人労働者の受け入れ事業を担当し、制度の適切な運用や告示の改正、日本で就労した外国人材が帰国後も活躍できるよう、入国前の教育内容を充実させることや中堅中小建設企業の海外進出支援など行いました。日本で活躍する外国人材を多く輩出するベトナムやフィリピン及び今後の増加が予想されたミャンマーの現地行政機関や大手財閥企業と、日本で習得した技能を帰国後も活かすキャリアパスの設計も企図して、エンジニアリングや造船、住宅等、建設分野以外の大手日本企業と大手及び中小建設企業を含むワーキンググループを立ち上げ、入国前の教育訓練プログラムの構築を行いました。こうした国内-海外及び大手-中小の企業間接点の構築等の活動を通じてわが国企業の海外進出促進を側面支援し、帰国後の外国人材の受け皿を拡充させること等を企図していました。
 国交省で2年2か月間、勤務した後、双日に復帰することになりました。復帰した部署は、不動産事業部門で、REITや海外工業団地、都市づくり等の事業戦略を描く仕事を担当しました。
物流業界に感じた大きなビジネスチャンス!
 国土交通省から双日に戻ったとき、物流保険統括部時代に感じた物流業界の課題を解決する事業を始めたいと考えていました。物流業界は、輸配送に係る情報交信手段としてメールや電話、FAXなどが用いられており、他業界と比べてIT化が大幅に遅れているように感じていました。またEC市場の拡大に対して、トラックや倉庫などの需要に対して供給が追い付いておらず、港湾業界やトラック業界など、物流業界全体で高齢化も進んでいることから、国も物流総合効率化法を改正するなど、物流業界全体がこれから大きく変わっていき、また大きなビジネスチャンスもあるのではと考えました。
 ライフネット生命の創業者の一人である岩瀬大輔氏が、「大きな市場」で「大きな非効率」が残っており、そこに「大きな変化」が起きる可能性がある分野へのチャレンジが面白い、と著書の中で述べているのを目にしたことがあり、まさに、物流業界がそうだと思いました。
 早速、外部のコンサルティング会社とも連携しながら、マーケティングを開始しましたところ、想定した通り、物流業界には大きなビジネスチャンスがあることが分かりました。当時、物流施設特化型 REIT 事業の検討を行っていた所属部署のほか、関連があると推測した社内10部局程度へ、それぞれの部局が行う事業との連携を射程にした事業案をマーケティング結果も踏まえて提案しましたが、いずれの回答も「NO」でした。
自分で事業をデザインしたくて独立を決意
 アンドリュー・スコット氏らの著書「LIFE SHIFT」において、「長寿社会をポジティブに捉え、今後の人生を前向きに再設計する必要がある」と述べられていたことや、物流業界に大きな魅力を感じたこと、また何よりも、「自分の人生を他者に委ねず、自分でデザインしたい」との思いから、会社を退職し起業する道を選択しました。
 そうした判断においては、まったく未知の業界・分野であった国土交通省でやり切れた経験があったので、自分の中で「何とかなるだろう!」という根拠のない自信がありました。
当社初のプロダクトはコンテナ輸送のプラットフォーム
 現在、コンテナ輸送の課題解決に取り組んでいます。中小企業は、物流手配に割けるリソースが不足していることなどから、フォワーダー(荷主から荷物を預かり、他の業者の運搬手段を利用して荷物を運ぶ業者)に全て任せてしまう傾向にあり、輸送品質やフォワーダーに支払う費用が高いのか安いのか判断ができない状態です。
 一方、フォワーダー側では、荷主が輸送に関する知識が少ないため正確な情報を適切なタイミングやプロトコルを通じて入手できず、余分な確認作業が増え、負担となっています。これらの課題を解決するため、貿易実務に携わった経験や大手フォワーダー企業で国際物流業務に従事した者の経験及び大手~中小荷主及びフォワーダーからのヒアリング結果や大手フォワーダー企業のシステム構築業務に従事したエンジニアの意見等を踏まえ、費用の可視化や情報交信の標準化、輸送状態を可視化するプラットフォームを構築しています。
今後の展望
 コンテナ輸送プラットフォームのβ版を8月末にリリースする予定です。物流業務にも通暁しているエンジニアを探すのに苦労したことで、足許は当初計画よりも約1.5か月ほどビハインドしていますが、本事業のパートナー企業である米国企業の協力も得ながら、正式なサービスについては当初計画通りの12月にもローンチしたいと考えています。
 将来的には、対象とするサービスの市場を陸上、空にも広げる予定です。また、決済や、船荷証券の電子化などの取り組みのほか、かねて協議を行っていたノルウェーのスタートアップ企業等との協業を通じて、輸送に関するワンストップサービスの提供や当社サービスの世界展開を目指したいと思っています。また、蓄積される取引データを基にした事業案についても、複数企業と議論を行っており、そうしたサービスについても実装していきたいと考えています。
【榮喜健介氏プロフィール】
東北大学大学院農学研究科を卒業後、大手総合商社である双日株式会社に入社。化学品のトレーディングを5年経験した後、官民人事交流制度を利用して、国土交通省へ入省。同省では、建設分野での外国人労働者の受け入れ、制度の適切な運用など2年2か月、担当した後、双日株式会社へ復帰。2019年2月、株式会社3CF&Co.を設立し、物流業界の課題を解決するプラットフォームで勝負を挑む。

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